主張

論文:我が国のジェネリック医薬品産業の維持と育成を図るための課題と方策を考える(渡邊善照)

公益社団法人日本薬剤学会発行機関誌「薬剤学」<83 (4)210-216 (2023)> に掲載された当会の渡邊善照理事長の論文を紹介します。 ※掲載にあたり2024年1月30日に発行元より著作物使用許諾を受けました。 論文

我が国のジェネリック医薬品産業の維持・育成を図る課題と方策の提言(2023年度)

当会のプロジェクトチームが「我が国のジェネリック医薬品産業の維持・育成を図る課題と方策の提言( 2023年度)」をまとめました。

提言書(概要と本文)

2024年頭所感

当会渡邊善照理事長の2024年の年頭所感です。
こちらのPDFをご覧ください。

2024年の年頭所感[PDF]

品質問題防止、査察強化だけでは不十分(2021年12月20日)

当会の渡邊善照理事長への医薬品の品質問題に関する 取材記事(RISFAX・医薬経済社)です。

ジェネリック医薬品関連事案についての緊急声明(2020年12月22日)

弊会は2020年12月22日に開催した「「ジェネリック医薬品の日」制定記念講演会で、同時期に発生したジェネリック医薬品関連事案に関連して、理事長の緊急声明を発表しました。

ジェネリック医薬品などに関する昨今の週刊誌記事について

国民の皆様へ

2017年(平成29)年 1月

特定非営利活動法人ジェネリック医薬品協議会(GEDA) 

理事長 渡辺 善照

特定非営利活動法人ジェネリック医薬品協議会(GEDA)は、社会的及び科学的背景をもとにジェネリック医薬品(後発医薬品)への正しい理解が広く速やかに浸透し、着実に定着していくことを目標とし活動してきております。

昨年から、一部の週刊誌報道によりジェネリック医薬品(後発医薬品)を始め、新薬(先発医薬品)を含めた薬の信頼を損ねる批判的記事が連続しています。これらの記事は、一部の専門家に対しての取材にもとづいて行われているようですが、批判ありき、問題強調の趣旨のものが中心になっています。医療に不可欠な医薬品の正しい普及を否定しかねない記事が再三に亘って出されています。医薬品は有効性と安全性の確保の上に成りたっていますが、適正に使用しないと思わぬ副作用が生じることもあるため、国民の皆様、特に患者の皆様に対して薬についての情報は大切なことであります。このため、国及び製薬企業、医療機関の医師や薬剤師は専門的観点から医薬品情報活動を続けており、皆様に正しい薬の情報を提供する努力をしています。しかし、これらの週刊誌では、批判記事が強調されており、国民の皆様に誤解を与える情報が蔓延してジェネリック医薬品始め各種の治療薬への不安が定着する恐れがあると当協議会では危惧しています。再度、今回の表明を行い注意喚起いたします。

医薬品ついてはいろいろな課題があることは事実ですが、医薬品の効果(効き目)や安全性については科学的・医学的に多くの検証がなされたうえで使用されています。 ジェネリック医薬品も厳しい科学的検証の結果使われているものであり、新薬に劣るものではありません。結果として多くの国民の皆様へ有益もたらすものと考えられます。 週刊誌では、読者にジェネリック医薬品の品質が粗悪であるとの危惧を抱かせる外国の事例や劣悪な製造環境を思わせるような記事を掲載しています。また、各種の治療薬に関してもその危険性のみを強調するような内容が目立ちます。しかし、我国では品質が著しく劣るような医薬品が認められるような法や制度とはなっていません。

科学的・医学的評価に懐疑的な人々の意見のみを過大に論調としている記事は、必ずしも正しい情報を皆様に提供しているものではありません。もし、医薬品について皆様が不安に思われることや疑問に思うことがございましたら、週刊誌記事を鵜呑みにせずに、専門家(医師、薬剤師)に相談されるか、お問い合わせください。また、医薬品医療機器総合機構(PMDA)や国立医薬品食品衛生研究所ジェネリック医薬品品質情報検討会などからいろいろな情報が発信されていますのでご利用ください。 

以上

ジェネリック医薬品を否定する一部の週刊誌記事について

国民の皆様へ

平成 27 年 5 月 9 日

特定非営利活動法人ジェネリック医薬品協議会(GEDA)

特定非営利活動法人ジェネリック医薬品協議会(GEDA)は、社会的及び科学的背景をもとにジェネリック医薬品(後発医薬品)への正しい理解が広く速やかに浸透し、着実に定着していくことを目標とし活動してきております。

昨今、一部の週刊誌報道によりジェネリック医薬品の普及を否定しかねない記事が出されています。これまで誌面では再三に亘って、ジェネリック医薬品の品質等を批判し続けています。このため、国民の皆様に誤った情報のみが蔓延してジェネリック医薬品への不安が定着する恐れがあると当協議会では危惧しています。

ジェネリック医薬品の使用促進は、膨大な医療費のうち薬剤費を軽減しその分を他の医療費に有効に活用しようということもあります。結果として多くの国民の皆様へ有益もたらすものと考えられます。医薬品の効果(効き目)や安全性については科学的・医学的に多くの検証がされており、ジェネリック医薬品ばかりではなく新薬についてもいろいろな課題があることは事実ですが、ジェネリック医薬品も厳しい科学的検証の結果使われているものであり、新薬に劣るものではありません。

新薬の特許期間終了後に皆様の前に登場するジェネリック医薬品は、製剤技術などの進歩を享受して格段に品質も確保され、何よりも高齢社会に相応しい付加価値のある製剤工夫が施されているものもあります。ジェネリック医薬品の品質に対する問題は、国立医薬品食品衛生研究所のジェネリック医薬品品質情報検討会で科学的な検証が進められているところであり、その評価結果は公的に明らかにされてきています。

このような科学的・医学的評価に懐疑的あるいは否定的な人々の意見のみを過大に論調としている週刊誌の記事は、必ずしも正しい情報を皆様に提供しているものではありません。

もし、ジェネリック医薬品について皆様が不安に思われることや疑問に思うことがございましたら、専門家(医師、薬剤師)に相談されるか、我々GEDA 等の団体にお問い合わせください。また、医薬品医療機器総合機構(PMDA)や国立医薬品食品衛生研究所ジェネリック医薬品品質情報検討会などから情報が発信されていますのでご利用ください。

一部の週刊誌報道のみを鵜呑みにすることなく、正しい判断でジェネリック医薬品を考えていきましょう。 

以上

2015年1月15日 週刊文春への反論

平成 27 年 1 月 15 日 週刊文春
「本当は危険なジェネリック医薬品」への反論

NPO 法人ジェネリック医薬品協議会 理事長 永井 恒司

今年 1 月 8 日号の週刊文春は、 「本当は危険なジェネリック医薬品」と題する 取材記事に対して、ジェネリック医薬品への正しい理解が広く速やかに浸透し、 それが着実に定着していくことを標榜している NPO 法人ジェネリック医薬品 協議会(GEDA)として反論する。 以下に詳述する前に、ジェネリック医薬品について、正しい理解のために重 要なポイントを簡潔に述べると、

① 主薬(薬効成分) 、その投与量、投与方法、更に生物学的同等性試験(薬物 が血中へ入る量と入る速さ)が一定の許容域の範囲であれば、同等医薬品と 見なせる。

② 上記①の考えは、欧米では 1960 年代に、日本国内では 1970 年代初めに確 立され、医薬品の製造承認の基準に盛り込まれてきている。

③上記①は、1997 年に国際薬学連合のみならず、世界保健機構及び国際医師 会連盟においても公式に承認され国際承認事項になっている。

④上記①に関する学問領域は、実に日進月歩し信頼性がましている。そして日本の医薬品製造技術及び行政規制が、上記①を充分保証できる水準にあることは国の内外で高く評価されているところである。 従って、誌面の指摘が適正であるかどうかは、科学的データにより証明することが必須要件である。 でなければ、近代薬学を理解していない、と誤解されることになろう。

誌面で指摘されているような懸念される事例に対処するために、厚労省の委 託を受けて、国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)が「ジェネリック医薬品品質情 報検討会(以下検討会という)」 を設けている。 その結果を 「一般国民、 医療機関、 医師、薬剤師等のジェネリック医薬品の品質に対する懸念を払拭し、さらなる 信頼性の確保を目指すものである。」として、 「後発医薬品品質情報」が発刊さ れている。この検討会によって、先発、ジェネリックに限らず我が国の医療用医薬品の品質レベルの向上が図られてきていることに GEDA として評価している。

また、 「製造国の情報公開を進めるべき」として、中国、韓国、インドと国名 を挙げて、品質に対する管理体制を不安視している。同誌の調達国のアンケート調査に対して、日本ジェネリック製薬協会の対応に不満を述べているが、その背景には、なぜジェネリックメーカーだけに求めているのか、あまりにも短絡的な調査に釈然としなかったからであろう。

先発、ジェネリックとも調達する国の如何によらず、自己責任において厳格な品質管理体制が求められる。特 に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」が掲げられ、一層の市場拡大が期待されているだけに、ジェネリックメーカーは、後ろ指を指されることのないように、襟を正していく必要があろう。

東京保険医協会が度々登場しているが、 同協会は平成 24 年 3 月診療所内に掲示するポスターの「新薬と同じ成分、同じ効能か」「効能にばらつきがある」 、 「効能格差は最大 40%」 、 「よく効くジェネリックはもらえるの」 などの表現で、患者の不安を煽るものであった。

GEDAとして同協会に対して「少子高齢化の急速な進展と高度な医療技術の進歩は、 毎年1兆円以上の増加が見られています。 先発医薬品とジェネリック医薬品の棲み分けは、限られた医療資源の効率的活用の有力な手段であります。ジェネリック医薬品の普及は、患者負担の軽減は言うまでもなく、更には逼迫する医療保険財政の改善に資することになります。 貴協会と共に我々GEDA は、世界に冠たる国民皆保険を守る責任があります。国 民医療の中核にある貴協会におかれましては、ジェネリック医薬品に正しく、 公正なご理解を願う次第であります。」と抗議したところである。

以上